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東日本支部例会ニュース第2号
 
1999(平成11)年1月22日(金)
発行者:日本衛生動物学会東日本支部事務局
(支部長・倉橋 弘)
 
 サンタのお礼   (倉橋 弘) 

34回例会企画者のねらい   (秦 和寿)
 
>第34回例会
演者からのメッセージ
 
藤本和義

D. Taylor

川原 眞
 
編集後記

 Tシャツ、ジ−ンズスタイルの支部例会
 たのしい・ためになる・たまり場の支部例会
 サンタのお礼
 ンタ・クロ−スの季節になり、今年の支部活動を振り返ってみますと皆様に多くのご支援をいただいたという思いで感無量です。6月の第33回支部例会は小林真次幹事の企画で「ヒト・媒介動物・微生物との関係を考える」のテ−マで開かれました。多数の会員、会員外の方の参加があり、今期の目標である「たのしい、ためになる、たまり場の支部例会」サンタ“3た”にふさわしい盛り上がりを見ました。皆様のご賛同のたまものと感謝申し上げます。また、48名の参加者からアンケ−トと貴重な助言をいただきました。厚くお礼申し上げます。今後の例会の企画運営に活用させていただきます。アンケ−ト結果から例会には会員外の方がかなり占め(44%)、女性の参加も目立つ(23%)ことがわかりました。アンケ−トの結果については衛生動物学会HP(http://wwwmez.med.uoeh-u.ac.jp/~mez/)の東日本支部欄に載っておりますので、そちらを見ていただけたらと思います。この欄は学会情報委員会提供で支部活動の最新情報も掲載されております。
 第50回東日本支部大会は大滝倫子大会長のお世話で、大東京の中心千代田区立内幸町ホ−ルで盛会に行われました。大会を企画運営下さいました事務局、大会に参加し盛り上げて下さいました会員の皆様に心よりお礼申し上げます。この記念すべき大会は日頃のご研究の成果を発表していただく一般口演のほか、同愛記念病院長 伊藤幸治先生による特別講演「ダニ特異的減感作療法」やミニシンポジウム「老人施設・病院における感染症の問題」が取り上げられ、老人施設における細菌感染症の問題(東京医大 中村明子先生)、院内感染をうけたハエ症(東京医科歯科大 篠永 哲先生)、老人施設における疥癬の流行とその対策(九段坂病院 大滝倫子先生)が盛り込まれ、いずれも興味ある講演でした。新年1月22日(金)には第34会例会が開かれます、今回は「マダニと感染症」というテ−マで企画されております。多数の方のご参加をお待ちしております。
(支部長 倉橋 弘)

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 34回例会企画者のねらい
 年マダニによる人体被害が増加している傾向にあります。自然志向で山歩きや野鳥観察者あるいはキャンパ−などが増え、ヤブの中へ入る人が多いからでしょうか。
一方、都市の緑地でもどういうわけかマダニの生息がみられ、散歩するイヌに寄生することが多くなっています。種類はフタトゲチマダニに限られます。人に寄生した場合、除去するのはやっかいです。有機溶媒をマダニにつける方法などが知られていますが、このほか効果的な方法が聞かれれば良いと思っています。
 マダニによる感染症は、ライム病、紅斑熱などが知られていますが、最近、エ−リキアが話題となっています。今回のテ−マは「マダニと感染症」としました。マダニの生態と生理に関する基礎とエ−リキア症について最新の情報を提供していただきます。多数の御参加をおまちしています。
(第34回例会 オ−ガナイザ− 指名幹事 秦 和寿)

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演者からのメッセージ
マダニの生態: 生活史、特に温度と日長の影響について
藤本和義(埼玉医科大学医動物学教室)
 ダニ類は人畜に対する吸血の害や種々の感染症媒介に関係しており、人間の生活にきわめて重要な関わりをもつ生物群である。しかし、日本では過去においてマダニ媒介性の感染症があまり知られていなかったことやマダニ類の大多数が主として野生動物を宿主としており、その調査研究が困難であったことから、マダニの感染疫学や防除に必須である生活史に関する研究はあまりなされていなかった。特に温度や日長等の季節要因は寒帯から温帯域に生息するマダニの生活史を調節する重要な要因にもかかわらず、ほとんど報告がない。
 本講演ではまず秩父山系に生息する5種類のマダニ(キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニ、シュルツェマダニ、タネガタマダニ)の野外における季節消長について述べる。そして温度や日長等の季節要因がマダニの季節消長にどのような影響を及ぼしているかについて解説し、マダニの生活史がこれらの季節要因によって調節されていることを明らかにする。

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マダニの生理: 卵形成のメカニズム (日本語)
D. Taylor(筑波大学 農林学系)
 ダニ類の生理学的研究は昆虫類に比べるとあまり進んでいない。しかしながらマダニ類は農業害虫として、またヒトへの病気を媒介するベクターとしても蚊に続いて重要である。このようなことからマダニ類の生理学的研究はマダニの効果的防除にとって必要性が高い。我々は特にヒメダニ類(soft ticks)を使用して下記に述べる3つの研究を行っている。
1)卵形成の機構 2)生殖に及ぼす低温の影響 3)体液中の抗菌性蛋白について
 これらの研究を中心に最近得られている知見をも含めてマダニ類の生理学的特性について述べたいと思う。
 
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ユタ州立スノー大学に1974年入学し1983年にバージニア州立オールドドミニオン大学院にて博士課程を終了しPhDを取得。1981年からユタ州のブリガムヤング大学の助手、その後合衆国農務省等に勤務。1992年福島県郡山にあるテキサスA&M大学郡山校に移り、1994年からは筑波大学第2群生物資源学類の外国人教師として勤務。1993年から三重大学医学部医動物学研究室の非常勤講師としても御活躍中。衛動会員。
(講演は日本語でして下さるようお願いしてあります)

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マダニが媒介するエ−リキア(Ehrlichia)について
川原 眞(名古屋市衛生研究所・微生物部)
 −リキアはリケッチア科に属するグラム陰性の小さな細胞内寄生細菌で、白血球の細胞質中に封入体を作って増殖する。世界で最初に発見されたヒトに感染するエ−リキアは西日本の腺熱患者から分離された。しかし、最近、それとは異なるヒトに感染するエ−リキアが相次いでアメリカで発見された。日本では腺熱患者以外に、愛知県の山中で捕獲された野鼠からエ−リキアが分離され、16S rRNAの塩基配列からこのエ−リキアはアメリカでヒトから分離された株に最も近い新種のエ−リキアであることが明らかとなった。その後、東京都で捕獲された野鼠や、東北地方のマダニからもエ−リキアが分離された。現在、エ−リキアは16S rRNAの塩基配列から3つのグル−プに分けることができる。新しく日本鼠から分離されたエ−リキアはグル−プ1に分類される。グル−プ2のエ−リキアは日本ではまだ見つかっていない。グル−プ3には腺熱から分離されたエ−リキアなどが属している。グル−プ1、2はマダニが、グル−プ3は魚などに寄生するFlukeが媒介すると考えられている。

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*** 編集後記 ***
★支部大会の特別講演を含め衛生動物が媒介する病気に関心がはらわれるようになったとの印象を受けました。最近災害弱者という言葉がよく聞かれますが老人施設でのダニやハエによる感染症についての講演もなされました。次回のマダニに焦点を当てた例会が楽しみです.大勢の皆様のご参加と共に活発な討論をお願いいたします。(庶務委員庶務 森林 敦子)
★引き続き健全運営ができますように会費納入をお願いします。(庶務委員会計 林 利彦)

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