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南日本支部の松尾敏明会員(鹿児島:小田代病院)からの報告です。

JMAT(日本医師会災害医療チーム)として鹿児島県医師会からの派遣で、2016/4/29-5/1に視察された宇土市の避難所とその周辺の状況です。


5月3日

鹿児島の松尾です。5月1日(メーデー)に熊本から鹿児島に帰ってきました。

JMAT(日本医師会災害医療チーム)として鹿児島県医師会からの派遣だったのですが、 鹿児島県医師会は宇土市への派遣でした。

私は感染対策チームとして、患者さんの治療には直接携わらず避難所における有症状者のモニタリング、水周りの整備、トイレ清掃の状況と手順の確認、嘔吐時の処理セットの配置と処理手順の確認、インフルエンザや感染性腸炎のアウトブレイクが疑われた際の対応手順の確立などの手伝いをしてきました。

宇土市、西熊本、南阿蘇では状況が全く異なるでしょうが、避難所巡回の合間に見た状況などを思いつくまま書いてみます。

  1. 住吉漁港・長浜福祉館の避難所で虫刺被害の訴えがあり蚊取り線香を使用していました。いずれも海の近くの避難所でした。住吉漁港を訪れたのは昼間の短時間だけだったので、 蚊の採取はできませんでした。長浜福祉館は夕方訪問したのですが採取されたのは蚊以外の虫でした。
  2. 特に虫刺の訴えは聞かれませんでしたが、宇土東小学校の側溝で蚊の幼虫を採取し成虫に飼育したのち確認しましたがアカイエカ群(おそらくチカイエカ)でした。
  3. 宇土地区に関しては蚊の発生にはまだ時期が早いと思われました。
  4. 避難所におけるハエは私たちの巡回中に2回しか観察されず比較的衛生管理はできている印象でした。東北大震災のときと異なり、人、家畜、魚介類の死骸が道端にはなく、既にインフラも復旧していたことが大きな理由だったと思います。今後、梅雨の時期になり生ごみ処理や簡易トイレ管理がさらに大事になると思います。
  5. 学校再開に合わせて、小中学校が避難所となっていた地区はコミュニティーセンターなどの講堂(体育館)に避難所を移転していましたが、ポールと布で仕切られた4~6畳の空間は梅雨から夏にかけて夜間の蚊やヌカカによる刺傷被害が予想されました。プライバシー確保のための空間は熱がこもりやすいでしょうし、エアコンのない大講堂ではほぼ終日窓を開けることになるでしょうから。避難所によっては周りが藪となっていたため、建物周囲の環境整備(草の伐採など)が必要と思われました。添付写真ご参照ください。
  6. (5)と同様のことは車内泊の方々にも言えることで、 車内泊の方は窓を開けて寝るために車内で蚊取り線香をたいている方もいました。 ただ、車内泊の方は蚊の発生が少ないところへ車で移動すればすむことですのであまり問題ないないかもしれません。
  7. 巡回した範囲では、まだ水を張っていない田んぼとタバコ畑はありましたが> 豚を飼っているところは見当たりませんでした。
  8. 活動期間中は快晴が続き避難所でも自主的に毛布を干すなどされていました。まだ地震発生後2,3週間ということもあり巡回中にダニを思わせる健康被害の訴えは聞かれませんでした。

以上簡単ですが、思いつくまま書いてみました。

小田代病院
松尾敏明

 

壊れて立ち入り禁止となった宇土市役所

壊れて立ち入り禁止となった宇土市役所


壊れた宇土市役所(夜は安全のためライトアップされていました)

壊れた宇土市役所(夜は安全のためライトアップされていました)



5月5日

避難所の写真を少し送ります。

特に、学校再開のため学校に避難していた被災者の(仮設住宅ができるまでの)新しい避難所をコミュニティーセンター(講堂・体育館)に作っていました。畳を敷き、プライバシー保護のため紙のポールと布で4~6畳に仕切ったものでした。既に引っ越しを始めた避難所もありました。その新しい避難所で今後梅雨から夏にかけて不快昆虫被害が多発することが予想されましたので少しばかり新しい避難所を写真に撮ってきました。ご参照ください。

小田代病院
松尾敏明

 

新しい避難所の準備中

新しい避難所の準備中


講堂(体育館)に畳を敷き、プライバシーを保つ ため布で4~6畳に仕切った新しい避難所

講堂(体育館)に畳を敷き、プライバシーを保つため布で4~6畳に仕切った新しい避難所


開閉可だが、網戸のない下窓

開閉可だが、網戸のない下窓


避難所まわりの様子

避難所まわりの様子